Hino Architectural Design

2.実はお得な高性能住宅

高気密・高断熱の方が安いという現実

普通、良いものは高いものです。 ハイブリッドカーですら、バッテリーの交換を考えると、燃費で稼ぐメリットが無くなるかもしれません。
しかし家は違います。 高気密・高断熱な家は、低燃費で財布に優しく、性能があまり低下せず、寿命が長くなり、維持費も普通の家より 安いぐらいです。 燃費が良く、バッテリーの交換の必要が無く、ガソリン車と同程度以下のメンテナンスで30年は乗れる、という メリットしかないハイブリッドカーのようなものです。
実際、高性能化に掛かった建築費用は、光熱費が安くなることで十分以上に取り戻すことができます。 そのうえ、パッシブハウスに近い性能になると、基本性能の高さにより、1~2台のエアコンで全館空調が可能に なり、エアコンの設置台数を減らし、設備費用を半分以下にすることが出来ます。

極上の快適性と健康が、タダで手に入る

LCC(ライフ・サイクル・コスト)を考えるだけでも、十分メリットがある高性能住宅。 しかし本当の価値は、健康で快適な暮らしを実現できる室内環境を実現できることです。 様々なメリットがあり、むしろこちらが真の目的だと考えています。

  • 結露を防止することで、カビ・ダニの発生を抑えることで、ハウスダストを低減し、アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎のリスクなどが減る。
  • のどの粘膜が乾燥しないので免疫機能が正常に働き、ウィルスに侵されにくくなり、風邪・インフルエンザ・ノ ロウィルス・はしか・風疹などにかかるリスクが減る。
  • 化学物質過敏症も、梅雨~夏の湿度を抑えることで低減することが出来る。
  • 室内の温度ムラが小さくなり、廊下・トイレの温度も高くなるので、ヒートショックのリスクが非常に低くなるので、脳梗塞などの脳血管疾患のリスクが非常に低くなります。

さらに、睡眠の質が良くなり疲れがとれる。肩こり・冷え性が楽になります。 不快な場所が無くなるので、家が広くなったような感じがします。 そう、生活が豊かになります。 しかも、タダで。

中途半端はもったいない

ある程度以上の高性能にすると、このような夢のような好循環がまわり始めます。 いわゆる次世代省エネ基準(U A =0.87W/(㎥・K))前後は、性能が低すぎて非常にもったいないです。 HEAT20のG1グレードでも、まだまだ中途半端な性能です。
やはり、HEAT20のG2グレード以上には持って行きたいとことです。 そのためには、充填断熱+付加断熱、U A (外皮平均熱貫流率)0.4W/(㎥・K)程度以下、トリプルガラス樹脂サッ シ、C値(隙間係数)0.3㎠/㎡程度以下、年間暖房負荷30KWh/㎡程度以下といった性能が必要になります。 このレベルになると、全館空調計画などが可能になってきます。
本当は、もう少し性能を上げて、パッシブハウスレベルがベストです。 もっと上、完全無暖房住宅などは、コスト度外視のものとしては良いですが、必要とまでは言えないと考えています。

2024.07.01