業務案内Hino Architectural Design
コンセプトとメリットConcept
弊社のコンセプトは「施工も手掛ける設計事務所」
弊社代表が勤務していた小規模なハウスビルダーは、結果としては良い住宅を造っていたとは思いますが、当初はある問題を抱えていました。それは、設計のプロであるという意識が希薄だったことです。設計費をほとんど頂いていなかったですし・・・。
ですので、設計業務が軽視され、工程表中の設計の日程が非常に短くなってしまっていました。ですので、非常に過密な設計業務をこなすことになると同時に、着工時点でも最小限の事しか決まっていないので、工事に追われて打合せするということが常態化していました。会社員時代の後半ではある程度改善していましたが、結構ギリギリの線だったと思います。
また、当時と比べて弊社の家づくりのレベルも上がっているので、レベルの高いことをしようとすると自然と設計の重要性も増してきますので、まずは設計をもっとしっかりとすることが必要だと考えるようになり、「施工も手掛ける設計事務所」というコンセプトとなりました。
<初期プランから、温熱設計・構造設計を考慮しています>
会社概要で詳しく書きますが、代表者は徳島県ではかなり早くから高気密高断熱に取り組んできました。また、パッシブハウス・ジャパンの勉強会などにも2011年頃から継続的に参加し、時には講師の方々に直接質問し、様々な知識を取り入れてきました。床下エアコン・小屋裏エアコン・階間エアコンにも早くから取り組み、既に十分な提案が出来るようになっています。
これにより基本設計の初期段階から、断熱性・日射取得性能・日射遮蔽性能・パッシブデザインといった温熱設計の基本はもちろんのこと、床下エアコン・小屋裏エアコンなどの空調計画も十分に考慮することが出来ます。
また、構造専門の設計事務所に外注することが一般的ですが、弊社は内製化しています。
構造計算を実務で行っていると、設計者として格段にレベルアップします。部材を一つずつ入力し、力の流れをコントロールして構造安全性を確認する作業の中で、固定荷重(自重)、地震力、風圧力などにより建物にかかる力をイメージできるようになります。
これにより基本設計の初期段階から、本当の意味で構造安全性を考慮した設計が出来るようになっています。
このように、温熱計算(PHPP:燃費ナビ)と、構造計算(許容応力度計算)とを内製化することで、基本設計から全てを考慮した設計とすることで、大胆な間取りやパッシブデザインのために構造を工夫したり、構造の無理を減らすために意匠に少し譲歩してもらうことも柔軟に対応出来るようになりました。
<設計者=現場監督なので、フィードバックが容易>
小規模であっても一般的に、設計業務と現場管理業務(現場監督)は分業化されていていることが多いですが、弊社では、設計業務と現場管理業務は弊社代表が一貫して担当いたします。
人数を増やして分業制にした方が効率化することは分かっているのですが、あえてこのスタイルを貫いているのには意味があります。
それは、設計者=現場監督であることのメリットを良く知っているからです。
弊社代表が勤務していた小規模なハウスビルダーは、設計と現場監督は1人(弊社代表)たけだったので、携わった物件のほとんどで、設計業務と現場管理業務を一貫して担当しておりました。
現場監督として、より良い施工のために、職人さんに指示を出したり、意味を伝えたり、逆に職人さんの知識を借りたり、自分で実際に施工してみたり、様々な工夫をしていましたので、現場での出来事を十分フィードバックして設計を改善することはもちろんできますし、施工のことを十分考慮した図面を描くことが出来るようになりました。
このメリットは非常に大きく、設計屋者と職人さんがダイレクトにフィードバックし合えることは、ものづくりとして最良の状態だと思いますし、もし間に挟まる人が増えると、フィードバックのダイレクト感は失われていくと思うので、独立後も全工程を一貫して担当することにこだわっています。
あとは大工棟梁も兼務することが出来れば本当に究極だと思いますが、弊社代表には大工棟梁の技能はありませんので、それは不可能です。仮に技能があったとしても、時間的に無理だとは思います。一般的に大工棟梁が最大に一貫担当する場合、設計業務をある程度助ける人が必要なのではないかと思います。
ですので、弊社のような形態か、大工棟梁形態が、家づくりに最適だと考えています。
ただし、一貫して担当するということは、高い倫理観が求められるということでもあります。
代表者は、住宅の質を追い求めてきましたので、そこについては心配ないかと考えていますが、その業務上の責任の重さを忘れぬように、常に心掛けていこうと思います。